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PRAYER

日曜。もうすぐ日が暮れる。明日からの仕事が憂鬱で仕方がない。明日もきっと一日営業回りで成果はないのだろう。そして上司にどやされる。そんな毎日がまたやってくる。

「おまえは何年この仕事やってんだ、あぁ!いつまでたっても成長しねぇえなぁ、こら!コラが二倍でもお前は何もかわらねぇ。今年いくつだ、てめぇ!30超えてんじゃねぇか!やっべぇやっべぇなぁお前は、親が泣いてんぞきっとな。電話してみろや、なぁ、ぼけ!なぁなぁなぁ!。この野郎、なんちゅう目で見てんだこの野郎!なめんな、こら!殺すぞ!てめぇ営業取ってからだろ、そんな目できんの!なぁ!おめぇ楽しいのか?仕事?楽しいわけねぇわな!死んだ方がいい、おめぇみてぇの、なぁ」

ほぼラップだ。何を言ってるのか、僕は全くわからないけど、リズムが生まれてるような気はする。だけど、とても疲れる。それだけは確実に。神経が蝕まれているような気もする。毎日だ。また明日から、金曜まで毎日これが続く。僕はもう仕事に対して何も期待はしていない。お金がもらえれば、それでいい。

恋人?そんなものは考えた事もない。僕は死んだ方がいい人間らしいから。休みはひたすら眠り、起きたら洗濯して、買い物して、それで終わりだ。

日曜、TSUTAYAで借りた映画を観る。妻が逃げて、何もない男がヒーローを趣味で始めるという話だ。僕は何がしたかったっけ?昔は映画の脚本なんて書いてみたりもしたっけ。大学の若気の至りでおしまいだった。夢なんてものは見る事が出来るのも一握りだ。金なくてもいい、なんて今更思えない。

日曜、映画を観終わった夕暮れ。なんとなく、つっかけで散歩に出かけた。しばらくして、夕暮れを観ていたら、携帯がなった。意外と歩いてきてしまったようだ。携帯の着信の文字は母親からだった。出てみると、「元気か?」「ちゃんと飯食ってるか?」「恋人は?実家つれてきてもええんだよ」。僕は「はい」「はい」としか答えられなかった。なんとなく電話越しだと母親は耳が遠いのもあり、面倒くさく感じることもある。けれども、電話を切った後、夕暮れの明るい光とipodの切ない音楽が現状の哀しい自分に向かって襲い掛かる。何もない。自分には何もない。何か光をつかみたい。悲しみに、ただただおびえているだけだ。
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