散文

失恋をした。久々に。病的な寂しさがばれていたのかもしれない。自分の心の拠り所が今はないのかもしれない。昔ほど辛くはない。変なプライドで自分を守る技術はついたのかも。しつこく言い寄ったなぁ。迷惑に感じてたろうに、よく毎週会ってくれるよなぁ。不思議な人なのか、本当に優しい人間なのか。自分勝手な独りよがりな思い。誰にも関係ない自分の中の気分に付き合ってくれて、ありがたい。独り相撲だ。片思いなんて。
何にそんなに夢中になって!しんどいはしんどい。自分が普通じゃない事を振られる理由を聞く度に実感する。クズみたいな生活だ。クズ。お金もなく、仕事に誇りもなく、心から楽しいと感じるものもなく。心が震えるような出来事を自分で作らなければいけない。恋はそれはイロイロと心が揺れたけれど、結局うまくはいかず、あの娘ももう何処かへ行ってしまう。それは仕方のないことだ。みんな、いつかはいなくなり、また新しい登場人物が現れて、それが毎日の積み重ねで、あの娘も半年前にはいなかった人だ。昔からの知り合いみたいな顔して。
その前にも別の友達がいた、たしかに。その友達たちもいつの間にか疎遠になってしまった。その前の友達たちに寂しさを感じない。そういうものだ、と割り切れる。今いる友達が離れていくのは、何故か寂しい。淋しいの方がいいのかもな。木々が洪水に飲み込まれて何もなくなるイメージ。失速して、痛快。
心のもやが薙ぎ倒されればいいのに。
昔は恋人と別れた時、世界が歪んでしまった。それに比べたら、なんでもないような事にも感じる。たかが片思いだからね。告白して振られた、なんて十何年ぶりだ。